我が佐久地域には毎年8月1日を墓参りの日とする風習があります。
これは江戸時代、寛保2年8月1日(1742年)に千曲川流域を襲った台風により多数の死者が出たために、以来この日に墓参りするという風習が今に残るという事です。
寛保2年(1742年)は戌年であったため、この大災害を「戌の満水(いぬのまんすい)」と呼んでいるのです。
8月1日を休日とする会社も有るし、当社でも今日を墓参りする日という事で休暇を取る社員も居ます。
そう言えば昔、会社に勤め始めた頃、自分は8月1日には墓参りには行かないので、この風習をよく知らず(たまたまこの日が休日だったため)仲間と南佐久の千曲川の上流部へ釣りに行った所、上流からたくさんの花束や野菜、果物等が物凄い勢いで流れて来て、一体何が起こっているのか理解出来ず、とても不気味な気持ちになり、後でこの日が「戌の満水」であった事を知り、こんな日に釣りに行った自分を若気の至りとは言え猛省した事がありました。
それにしても、この千曲川は令和元年の台風19号の様に数十年に一度、「戌の満水」を思わせる様な災害が起こってしまいます。
最近は自然災害による甚大な被害のニュースが絶えません。今後も自然災害が無くなる事は無いにしろ、どうか大きな災害が起こらない事を祈るばかりです。